ぴーこさん江 石龍作
 
 
ちーちゃんの戯れ言パンチ 
 
 
第2らうんど
 

 
 
「姉さん、それって戯れ言ですか?」
 
 
桑島夏樹は、弟の桑島秋人(くわしま・あきと)にそう言われた。真面目に疑問系。
スポーツウーマンである姉と違って、銀縁めがねの将棋系。運動は得意ではないが、思索、考えるのは得意であり、中学校の将棋部では顧問の先生と互角くらいに強いらしい。
専門分野がかっきりと異なっているのがいいのか、姉弟の仲はいい。というか密かにシスコン気味であった。だから、どんなバカな話を聞かされようと姉に向かって「バカだ・なー」などとダチョウ倶楽部のようなことは言わない。
 
 
「そ、そんなこと・・・・ない・・・んだけど・・」
問われた桑島夏樹の声は弱々しい。そんな姉の顔をみて、心を痛める桑島秋人。
「この目で見たわけじゃ・・・・ないし・・・・でも」
 
 
「そうだなあ、夏樹が来ることが分かっていてお芝居した、というのも考えにくいしなあ」
そう言ったのは、桑島冬樹(くわしま・ふゆき)、夏樹、秋人の父親で、スポーツカメラマンであり、最近の夢中になっていることは娘の最高の活躍シーンを撮ることである。たくましいガタイの割にはかなりクレバーであり、スポーツの各種審判免許をもっていたりもする。スポーツ万能パパであり、ちなみに腕っぷしも強く、飲み屋で暴れる酔っぱらい空手家をらくらく取り押さえたこともある。
 
 
「いい試合をしましょうねって、言いにいっただけなんですものねえ・・・」
首をかしげる母親は、桑島理保(くわしま・りほ)。かなり胸が大きく、高校生の娘と中学生の息子がいるとはおもえない若さ。おまけに、年頃の娘がボクシングをやっているという事実に、その胸と同じくらいにやたらに寛大であったりする。
 
 
以上が桑島ファミリーで、今は食後の団らん。帰宅してより、夕食時にもいまひとつ表情が冴えない長女、夏樹を心配して、何かあったのか話を聞いてみたところであった。
年頃の夏樹から、わりあいあっさり話を聞きだしてしまうあたり、桑島家の雰囲気が分かる。そして、聞き出したその話の・・・・
 
 
その内容たるや・・・・・少年マンガのスポ根ものすら追い越してるような感のある、
「スーパー美少女ボクサーストーリー」であった。夏樹が直接、その目で見たわけではないが、聞いた話から構成し直してみると、だいたい注目すべき点は三点。
 
 
 
1・プロである高梨美月選手をヒイヒイいわせていた。
(ただし、ふざけていたような声ではなかった)
 
 
2・アメリカのアマチュア王者であるリサ・ランフォードの脳天にかわせない一撃を叩き込んでいた。
(ちなみに、身長はリサ・ランフォードの方が高い・・・・・10pも)
 
 
3・それよりは実力の劣るだろうけれど、後輩を、・・・・触れていないのに倒した。
(対戦は後輩の方から申し込んだもので、気後れや恐怖というのも考えにくい)
 
 
どれをとっても、まともな、尋常な話ではないが、家族は夏樹がそんな作り話をする妄想癖などないことを知っているし、第一、自分でそんな話を造り上げて気落ちしていれば世話はない。秋人が、「戯れ言」といったのも、それはあえて、言ってみただけのこと。
 
 
夏樹が自分の目で見ていない以上、ただ耳でそんな内容の話を聞いているだけのこと。そんなものはべつにトリックでなんとでもなるし、話の途中で肝心な部分を聞き逃したために、そんな内容に組み立てられてしまっただけかもしれない。
 
 
また、それが本当の話なら・・・・・・
 
 
「その日比野さんは今すぐ世界チャンピオンになれるわねえ・・・・」
のんきに理保ママがいった。
 
「日比野・・・日比野・・・・・かあ。伝説の無敗の武術でも継承している家の子・・・・というわけでもないか。そんな流派は聞いたことがないしなあ」
それなりに顔の広い冬樹パパが言う。それなりに人生経験をつめば、その目で確認していないものがいかにいい加減で姿を変えやすいいモノか分かってくるが、今それをストレートに娘に言うてみても理解はされないだろう。十中、八九、それはなんかの間違いだろう、と。情報の錯綜、いわゆるハチ公前の悲劇。真実からちょっと逸れた場所に落とし穴がある。まあ、それにはまって、自分の力で這い上がってくるのもまた、人生勉強だ。
 
 
「だけど、ライバルは強いほど張り合いがある。夏樹以上に日比野さんもがんばっていたんだろう。たとえ、敵わなかったとしても、力いっぱいぶつかって行くんだ」
 
「そうね、いい試合をする約束をしていたんでしょう?」
 
と、いうわけで、夏樹が手みやげ用に買って、結局渡せなかった和菓子をつまむ両親であった。試合の恐怖とストレスは過度になると皮膚病になって影響を表したりするが、そういう点、適度に突き放して過保護ではない健康パパとママであった。
 
もちろん、いくら尊敬する両親の言葉とはいえ、そんな通り一遍で闘志が再燃するほど桑島夏樹は単純に出来ていない。それでいい、と親は見ている。
プレッシャー試金石に押し潰されても、それでも、リングに上がろうというなら・・・・
娘はやはり、将来、プロになるのかもしれない。
 
「じゃ、わたし・・・・お風呂はいるから・・・・」
ぼうーっと夏樹はリビングから出ていった。頭の中は日比野千歳の幻影で一杯なのだろう。
 
 
「姉さん・・・・」
話だけ聞いてると、日比野千歳というのは、「お化け」だなまるでと秋人は思う。
超人だと思う。妖怪人間だと思う。怪物だと思う。・・・魔法使いかもしれない。
 
彼は両親と違い、姉の憂い顔を見過ごせずに、なんとか真正面から問題を解き放とうとする。あまりにも無茶な話なだけに、わりあい、正しい補助線を引いて分解して、矛盾する一点をつけばすぐに、そんな話は戯れ言にすぎない、と証明できるような気がする。
 
いや、そのはずだ。してみせる!だって、この話はおかしすぎるし、そんなことで姉さんが気に病むのは間違ってる!!
 
 
恐怖や憂いを払うのは、本人の精神力のみで、他人がいかに努力しようとそれが成せるというのはそれこそ戯れ言。その一念で、なんとか日比野千歳の戯れ言パンチの謎を解き明かそうとするが・・・・・夜っぴて考えてみた・・・・・・そして、窓の外が明るくなるころ、はっ!と天啓を得て理解することがあった!
 
 
いかんせん、情報不足であることを
 
 
確かに姉さんは衝撃度が強かったせいかかなりよく細部まで覚えてはいたが、いかんせん現場を目撃したわけではなく、あくまで聞こえる話から光景を頭の中で構築しただけのことであり、そこには誤解の入る余地がなんぼでもある、ということを。そこらへんを明瞭にせねば、いくらそんなデタラメな話でも、解明もへちまもなかった。
・・・両親が娘の話をきいて即座に思い立った場所へ一晩かけてたどり着いたわけだ。
とりあえず、情報を、それも正確な情報を収集しなければ。安楽椅子探偵ができるほどこっちもボクシングやそれ関連の事情に詳しいわけでもない。今の状態の姉さんに詳しく聞き込むわけにもいかない。試合まで日数はまだある。それまでに・・・・日比野千歳の欺瞞をあばいてやらねばならない。真実はいつもひとつ!
ちなみに、この桑島秋人、愛読書はノベルズ系の推理小説だったりする。
 
 
さて、どこから調査を始めるか・・・・・むろん、姉さんには内緒で。
 
 

 
 
「ここだな・・・・・・けっこう探したなあ・・・」
 
姉と同じで方向音痴の気があるのかもしれない。桑島秋人は「とあるボクシングジム」の前に辿り着いた。時間もかなり遅くなっていた。ジムの方から差す光が、入門希望には似つかわしくない銀縁眼鏡の少年を浮かび上がらせる。
 
 
このジムこそ調査ナンバー一番の高梨美月選手が練習しているジムである。
 
 
いろいろとツテをたどる・・・こともなく、いまは便利なインターネットがあるのだ。
プロがいちいち所在を隠しているわけもなく、高校生でもあるので山籠もりをしているわけでもないので、その点は非常に楽だった。
 
 
調査ナンバー1/ 1・プロである高梨美月選手をヒイヒイいわせていた。
(ただし、ふざけていたような声ではなかった)
 
 
順序から言って、これをまず解明せねばならない。考えられるのは・・・・
 
 
「その当時、高梨美月選手は、体調がひどく悪かった」・・・・ということだろうか。
 
 
その体調のすぐれない相手をここぞとばかりにボコるのであるから、日比野千歳というのはまことに鬼のような女だ・・・・たぶん、夜叉のような顔をしているのだろう。
ケガをしていればサルも木から落ちるし、風邪をひいていればカッパも溺れる。
体調の管理もプロの仕事だ、といってしまえばそれまでのことだが。プロボクサーも人間である以上、体調を崩すことだってあるだろう。
それから、もうひとつ考えられる可能性としては・・・・・
 
 
「格下の相手に自信をつけさせるために、”わざと”手をぬいていた」・・・・
 
つまりは、演技であるが、それは当然、姉さん相手ではなく当の本人、日比野千歳相手だ。
それでその気になれるというなら、日比野千歳も相当に単純というか、すぐにダマされる小学生なみに頭の悪い女なのだろう・・・・・イメージ造りにもほどがある。
まあ、それを真に受けてしまう姉さんもちょっと高校生にしては、純真かもしれない。
 
 
後者である場合はちょっと見抜きようも今さら調べようもないことだが、前者である場合、その気になれば調べられないこともないのではないか・・・・・大っぴらに公表などしないだろうが、体調の悪さは隠しようもない。
 
 
と、いうか、もしここで元気な姿が目撃できないのなら、「そうに決まっている」。
桑島秋人としては姉にそのような報告ができればいいのだ。まあ、実際に中学生探偵などいない。高校生探偵もマンガの中だけの話だし。うーん・・・・今の所、それらしい人は見えないなあ・・・・やはり男が多いし。外からなんとなく様子を伺っていると
 
 
 
「どうしたんだ?君。入門希望なのか」
 
 
後ろから、声をかけられた。凛とした女性のそれに振り向くと、そこには自転車に乗ったトレーナーらしい20代の女性と、ジムの練習生らしい若い女性・・・・といっても、たぶんまだ十代、姉と同年代くらいだろう・・・・がいた。確かにボクシングジムの前に思春期の男の子が立っていれば、そんな感じに見えるのだろう。声をかけたトレーナー風の女性は、目つきがキリッとしているが、警戒よりも笑みを含んでいた。それにしても唐突なことだったので心臓がバクバクいう桑島秋人。「あ、あの・・・・」緊張して顔が赤い。
一体、ここに何しに来たのか、頭から一瞬飛んでしまう。「あ、あの・・・僕は・・・」
 
 
「おやおや。違ったのかな」男の子の慌てるその初々しい反応を楽しんでるようでもある。
 
 
「いきなりすぎですよ〜、文月先生。ちょっと興味があって見てただけじゃないですか。
どちからというと、文学少年っぽいし、・・・・きみ、ごめんね〜、驚かしちゃって」
 
自転車のトレーナーと一緒、ということは多分、ロードワークで走っていたのだろう、という見当は桑島秋人にもつく。それなのに、三人の練習生たちは少し汗しているものの、まったく息があがったようでもなく。真ん中の紫色のウェアのショートカットの娘がにこっと明るく笑いかけてきた。
 
「あ、いえ・・・・」少し照れてしまう。遠回しに、運動に向いてなさそうかなー、と言われたような文学少年呼ばわりも気にならない。・・・・・はて?ところで、このひと
 
 
どこかで見たような・・・・・・
 
 
「あ!」
 
 
急に目を丸くして大きな声をする銀縁眼鏡少年に、文月先生と呼ばれた女性トレーナーも、三人の練習生、笑いかけてきた紫のウェアの娘、金髪碧眼のいかにもアメリカ外人の赤いウェアの娘、抹茶色のウェアの赤い髪留めをした、どこかぼっーとした感じの娘、も
驚きはしないが、少年どうしたもんかと首をかしげる。それでも、人生経験が長いせいか、なにか思いついたらしい女性トレーナーがニヤリと笑う。不敵に素敵である。
 
 
「良かったな、美月。この子はたぶん、お前のファンだ」
 
 
「「え?」」
紫のウェアの娘、つまりはロードワークから帰ったばかりの高梨美月と、
あらぬ身分をおしつけられた桑島秋人の驚きの声がはもった。
 
 
「へえー」遅れて、軽い驚きと賞賛をまじえて口笛をふく金髪アメリカ娘、はリサ・ランフォードであり、
 
 
「・・・・・・」無表情無反応なのが、姫条 椚(きじょう くぬぎ)である。
 
 
「私の目に間違いはない」女性トレーナー、文月先生は断言する。
そこまで言われては、「いいや、違います。僕、ファンなんかじゃありません」とは言いにくい桑島秋人である。なんせ相手は女子とは云え、プロボクサーなのだ。
 
 
「え?え?え?ふぁ、ファン〜?わたしの・・・・?ほんとに!?」
疑問マークを連発させながらも、目がキラキラと輝いている高梨美月。キラキラと輝かせて、こちらを見られてはますます否定も誤魔化しもできなくなる桑島秋人。
 
 
「は。はい・・・・」
これは姉さんへの裏切りではない!・・・・・と思うけど、うなづいてしまう。
その傍らで何かを見抜いたように姫條椚の目が動いたが、何も言わなかった。
高梨美月の幼なじみとして、一家言あったのかもしれないが。
桑島秋人の外見が、おっかけ、とか、ストーカーとか、暑苦しかったり寒々しいものを連想させない、いかにも成績良さそうで純粋な少年らしいものであったからだろう。
ここでつっこんでは、ちょっと二人にかわいそうかな〜意地悪かな〜、というところ。
 
 
「次の試合もがんばりますので、これからも、応援よろしくおねがいします!!」
いつの間にやら高梨美月に両手をつかまれて、上下に激しく振られていた桑島秋人。

 

「あ。あう、あう、あう、あう、」
 

 

その様子は、教育番組のお利口さん人形と体力だけはあるおねえさんを連想させた。
やはりプロと素人、体力差が尋常ではないのだ。とりわけ、瞬発力が。ダンチだ。
いつ手をとられたのかさえ分からなかった。小さな竜巻にとりこまれたような・・・
 
 
とにかく、ムチャクチャ元気だ。高梨美月・・・・・選手・・・・
しかもこの明るさはとても、昨日プロでもない高校生にヒイヒイ云わされた同一人物とは思えない・・・・・・クラクラする頭でそんなことを考える桑島秋人。
 
 
「よーし、プロはそのくらいでなくちゃあな」ニヤリと笑う文月先生。
 
「うれしいのは分かるけど、急にそんなことして、肩外してないでしょうね・・・大丈夫?この子・・・」どちらがトレーナーなのか分からない冷静的確な姫條椚のひとこと。
 
「あ・・・・ご、ごめんなさい!・・・」それに反応して、手を離してすぐに心配顔になる高梨美月。
 
「あ。だ、大丈夫です、から。・・・・調子、いいんですね」
どきん、としたが、すぐに”任務”を思い出して、肝心なことを聞き出しにかかる桑島秋人。
 
「え?ええ。試合に向けて調子は上々、心強い練習相手もいることだし・・・でも、ほんとうに大丈夫?いたくない?」
相手を殴るのが商売のプロボクサーの割にはずいぶんと気にする・・・・それは、子供のケガを心配する母親のような顔。違和感はあったが、それは決していやなものではなかった。強い人間とはこういうものなのかもしれない・・・・ちょっと、うっかり系だけど。
 
「はい、大丈夫です」
 
「ほんと?」
 
「はい」
 
「良かった」そう言って、また笑顔を見せる高梨美月。
 
 
「それじゃ、そろそろリングの空く時間だし、いく?」リサが声をかけてうながす。
 
「うん!・・・・それじゃ、練習に行くから」応えて、ジムに戻ろうとする高梨美月を
 
「れ、練習を見せてもらってもいいですか?」
呼び止めていた。目的は達成されたのだから、もう引き上げ時だとは思ったが声が先に出ていた。「入門希望っていうのも、あながち外れじゃないんです・・・」だんだん声が小さくなっていくが。
 
 
「どうかなー・・・・もう時間も遅いよ?」遠回しに断りをいれているのもあるが、確かに中学生には時間が遅い。ジムは今からが活動時間ではあるが。高梨美月がちら、とトレーナーの文月先生を見る。帰るように指導してくださいよ、と目で訴えたつもりだったが。
 
 
「いいんじゃないか。スパーのひとつも見学していってもらえば」
などと。
 
「いいんですか」練習光景など、喜んでみせたいものでもないし。
 
「これがきっかけで、未来の日本チャンプが生まれるかもしれないぞ」
何を考えているのか、今ひとつよく分からないが、御師匠さまである文月先生がいうならば三人娘に異論はない。
 
「そこまでいかなくとも、あしたの入門者が一人増えれば、会長は喜ぶ・・・
美月、一週間前、お前サンドバッグ破裂させただろ」
 
「あ!あれはたまたまトドメをさしただけで・・・・瀕死状態に追い込んだのはリサですよ〜」
 
「え?私?そんなヘボな打ち抜き方なんてしないわよ!!・・・それに、だいたいもともとあれはかなり寿命だったし・・・オムカエが来たのよ。ね、クヌギ」
 
「・・・うぇるかむ・おむかえ?」
 
 
「とにかくだ。準備しろ。最初は、美月とリサだ。椚はその後、ヘトヘトになった美月とやれ。もちろん、手加減無用だからな。泣かす気でいけ!・・・・美月!」
 
「は、はい!」
 
「プロの凄さで、この少年を魅了しろ!せっかくできたファンだ、逃がすなよ?」
 
「はい!」
 
 
方向音痴の割には、タイミングを、機会を得る運には恵まれているらしい桑島姉弟。
 
 
調査ナンバー1/ 1・プロである高梨美月選手をヒイヒイいわせていた。
(ただし、ふざけていたような声ではなかった)
 
 
調査ナンバー2/2・アメリカのアマチュア王者であるリサ・ランフォードの脳天にかわせない一撃を叩き込んでいた。
(ちなみに、身長はリサ・ランフォードの方が高い・・・・・10pも)
 
 
降って湧いたように、その解明機会を与えられたわけだ。
日比野千歳にヒイヒイいわされた「プロの力」を、脳天直撃の「本場アメリカのパワー」を、間近で、見ることができた・・・。
 
 
 

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